2.入会前背景

私は教会の信者として生きてきたのは17歳から34歳までになります。

私は2人の姉と兄、4人兄弟の末っ子。そして両親と祖母の7人家族の元で生まれました。

私の家族で信者になったのは2番目の姉と私になります。

幼少のころから祖母にお経を教えてもらったり、目に見えない世界やオーパーツなどにも興味を持つような人間でした。

私の家で最初に教会に入ったのは姉になります。ある日、姉が統一教会に入っていて、その施設で寝泊まりしているのを打ち明けてきました。そのころは姉も嫁に出て、兄も家を出ていました。家族の中で私だけが知っていたのです。当時は教会の悪い噂も知らなかったのでそこまでは気にはとめていませんでした。

それと同時期に私はS教団という宗教団体に入っていたところでした。

当時、私の母親が若くしてアルツハイマーになり、祖母が母親を世話をしているような家庭の状況でした。

ある日、道端で祖母が車をよけようとしてこけてケガをしてしまいました。ちょうどそこにS教団の人がいて心配して祖母に手かざしの役事をしました。

祖母はありがたく思って「私の家にもっと大変な人がいるから来てもらえませんか」と誘い家に来てもらいました。

そこで母にも手かざしの役事をし、そのS教団の人は祖母と母のために訪問を続け二人を信者にしていきました。

その様子を見ていた私にもある日声をかけてきました。そんなに否定的に見ていなかったので声をかけてきたのだと思います。

そうして、いつしか私はS教団に入会することになっていました。

ある日、S教団の紹介親にも姉が統一教会に入っていることを相談すると「あそこは危険な団体だよ」というようなことを言われるので危険を感じます。

そして私は父親と協力して姉を教会の施設から連れ戻すようにしました。

警察には電話してみるものの、話し合ってくださいとしか言われませんでした。

いろいろと騒いだ結果、姉が統一教会の施設から家に帰ってくることになりました。

これで安心したのか私の中でこれ以上姉を責め立てる意欲が消滅していました。

私は姉に、私が通うS教団の婦人の話を聞いてほしいと頼みました。すると姉のほうの話も聞くという交換条件で私は承諾しました。

そして、実際にS教団の婦人の話を姉は聞くことになりました。その話が終わってから姉はぐったりと疲れていました。「あのような霊力のある人の話を聞くと疲れるわ」と言っていました。そして「今度はあんたの番やな」と言われた時に私は断りました。

すると姉が泣き出して私を卑怯者呼ばわりしてきました。私はハッとなり約束は守ることにしました。姉はカルト教団にのめりこんで、精神状態も異常だと思っていたのですが、どうやら素の姉で、感情も自然なものに感じられました。

そしてある日、姉から一冊の本を渡さました。その本は統一教会を批判するような本でしたが、自分の目に飛び込んできた文章は、“世間から言われている噂をうのみにするのではなくて自分でも真実を確かめてみるものだ“というような文言がなぜか目に入ってきて、そうしなければと思いました。

そして後日、親子の集いという統一教会のイベントに参加しました。

私がイメージしていた統一教会の人間というのは、感情もないロボットの様な人間だったのですが、いざ会ってみると性格も明るいし誠実そうだし、とても悪い人たちには見えなかったのです。

親子の集いのイベント参加後、統一教会に対しての印象がガラリと変わった私は姉の話しを面白がって聞くようになっていました。聖書の話も興味深かったです。

そうして私は統一教会に真理がありS教団はいかがわしいと思い遠のいて行くようになりました。 

その頃、統一教会では韓国の水沢里(スイタクリ)という地で開かれている女性の為の修練会がありました。姉はそこに病気の母親を連れて行ったら何か良くなるのじゃないかと思って連れて行こうとしていました。連れて行く為には、父親の許しを得なければなりません。姉はどこで知りあったのか、Tさんという婦人と一緒に来て、協力しあって母をなんとかその修練会に連れていこうと尽力していました。

私はその頃は教会員ではなかったけども、反対もせず応援するぐらいの立場になっていました。姉から聞く話もだいぶ進んでいて、そのころには文鮮明はメシアだという風には聞いていました。

母を水沢里修練会に連れていくことを父親はがんと反対していたけれど。最終的には父親も折れて韓国行きを許しました。

その背後には姉もT夫人も条件を立てていました。条件というのはお祈りや水業など願をかけての業です。私も母に奇跡が起こって治ってほしいと思っていたので、少し条件立てを協力しました。

そうして母を連れた姉とT婦人は無事に水沢里修練会に行って無事に帰ってきました。特に何か変わった感じはなかったけれど、霊的にはメシアと会ってすごい条件になったんだろうなぐらいに思っていました。

しばらくして、またTさんが家に来ました。Tさんは天地正教の信者でした。天地正教とは仏教系の統一教会のダミー団体です。私にも天地正教に通いましょうと誘ってきたのです。

 「いやー僕はいいですよー」と最初は断ったのですが、しつこく説得してきたので受け入れてしまいました。

ですがなぜかその時は受け入れた事をまんざら悪くもないなと思っていました。姉からも私が受け入れたことで「霊会の先祖は今頃お祭り騒ぎしているよ!」

みたいなことを言うので、「えーそんなにすごいことなの?」と期待を持ちました。こうして私は17才の時に天地正教という仏教的なダミー団体に入ることになったのでした。